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祈り
 お彼岸にはまだ10日ほど早かったがお墓参りに行った。
夏のあの、どこの空気を切り取っても蝉の声がつまっているような賑やかさは既になく、遠くでつくつく法師が知らぬ間に秋も深まっていることを告げていた。
その他は何の音も無い。空が高かった。
車を降りて登る急な坂道には、どんぐりが転げ落ちそうにたくさん落ちていた。

草取りをし、墓石を洗い、線香を手向ける。
墓石を洗う時、父は暑がりだったのでいつも水をザブザブとかけていたが、ある人に顔を上に向けて眠っているのだから上から水をかけてはいけないと教えられ、一番上は手でぬぐった。石はかなり熱くなっていた。
眼前には海が拡がっている。
来年、米軍の基地が民間に解放され、全日空が一日4便飛ぶことになっている。
二井知事は沖縄の普天間基地の件が解決しなければ艦載機来岩はその先のことと言っているので来年秋の開通は流動的。開通されれば来年から岩国市民となる我々にとって誠に便利になるのだが痛し痒しだ。

秀太郎が長年付き合ってきた人と正式に籍を一緒にすることにしたと言う。
お盆のお墓参りや、仏前のお花を欠かさないなど、気を配れる人のようだ。
彼らがずっと、一緒にいて良かったと思える家庭を築くことができますようにと墓に祈った。

夕暮れて、中秋の美しい満月が昇った。

お墓
いつも海を見ているお墓

海
目の前に拡がる瀬戸内海 基地が見える

渡辺翁記念会館
 9月9日午後6時半から宇部の渡辺翁記念会館において「石井啓一郎が奏でる珠玉のヴァイオリン名曲集」と題された演奏会が開催された。
これは今年市制90周年を迎えた宇部市が企画した、日本フィルハーモニー交響楽団宇部公演(宇部興産主催)に向けてのいくつかのクラシックの演奏会の一環で、好楽協会の玉井保生氏のお話しも交えながらの演奏会だった。
6月頃から本格的に企画について市とやり取りをしていたが、8月に入るまではほとんど公にされなかったのでお客さんが集まるのだろうかと心配していた。8月になって1000枚の整理券が出て、最終的には1400枚が配られたそうだ。しかし、無料の整理券なので当日始まってみるまでは気がかりだった。記念会館は客席1300余り。幕を開けてみるとなんと1000人ほどのお客さんが入っていた。
ブラームスのヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番を始め、主にウィニアフスキーやクライスラーなどヴァイオリニストが書いた名曲の数々を披露。お客さんの反応は非常に良かった。

この渡辺翁記念会館は、宇部で生まれ、ひたすら郷土のためにつくした宇部興産初代の社長、渡辺祐策氏の死後、彼の業績を讃えて造られたもので、村野藤吾氏の設計による。昭和12年に完成し、戦争中も壊されず残ったので、戦後すぐ、まだ日本には音楽ホールが無かった時代で、海外から来た名演奏家たち、メニューイン、コルトー、シゲティなど歴史に残る人たちがここで演奏し、市民に感動を与えた。
その蔭には宇部興産副社長、俵田寛夫氏の功績も大きい。
彼は宇部好楽協会をつくり、海外の著名な演奏家を招聘することに力をそそいだ。立派なホールがあるので演奏家たちは来てくれるのだが、当時はホテルがなく、彼は私財を投じて来日した演奏家たちの宿泊に自宅を開放した。
市民の給料はまだ本当に低い時代だったが、他に楽しみも少なかったこともあって演奏会には家族で出かけていく習慣がついた。石井啓一郎もそんな中で育ったのだった。

平成17年には国の重要文化財に指定されている。
正面玄関外観の重厚な趣き、またロビー内の丸い柱は本物の大理石、床も市松模様のテラゾータイル。こんなに立派なものは現在ではもう造ることはできないだろう。ホールの残響時間も丁度良く、宇部市民は本当に誇りにしていい。
すでに74年の歳月を経ているので維持管理は大変かもしれないが、是非長く現役のホールとして残したい。

宇部の演奏会
演奏会のポスター

渡辺翁記念会館
渡辺翁記念会館

晴香の夏休み
 シンフォニア岩国での演奏会のため、8月10日に陽子と子供たちを連れて宏樹庵に帰った。

20日の演奏会が終わるまでは練習があったのであまり遊べなかったが、22日に子供たちの父親も来て、23日一緒にサファリパークへ行った。
折悪しく美祢地方に大雨警報が出されるほどの悪天候だったが、高速を降りてカルスト台地を行く頃には雨もだんだん収まってきて、サファリパークでは小降りになった。動物達の中には雨を避けて屋根の下に並んで入っている水牛などもいたが、車に乗ったままだんだん奥深くへ進み、大きな柵を越えるとライオンやトラなどすぐ近くで見ることができた。動物園のような檻の中に入っていないので少々危険も感じたが、監視員があちこちで見張っているようだった。
最後にふれあい広場があって、ヤギやカンガルーに餌を与えることができた。初めは怖がっていた晴香もだんだん大胆になってヤギに指をかまれそうだったが、何度もあげていた。

24日と27日には錦帯橋の所の川で遊んだ。
特に27日は子供たちがたくさん来ていて、少し年上の女の子が腹ばいになってバシャバシャしているのを見て、顔に水がかかるのが嫌いな晴香も少し水の中に入って泳ぐまねをした。石が好きで、いろんな石を拾っては集めたり投げたりしていた。

海には赤潮が来ているから泳げないと聞いていたので諦めていたが、28日にお土産を買いに由宇の潮風公園に来てみると、もう夕方だったのにたくさんの子供たちが遊んでいた。海水はとても澄んでいて、これならもっと早く来れば良かったと思った。ちょっとだけ砂遊びをして、かき氷を食べて帰った。

そして29日宏樹庵を後にした。

晴香は2歳4ヶ月だが、このところずいぶん言葉が話せるようになった。
いろいろと大人に指示を与えることもあって、例えば階段の降り方にしても、誰かに甘えたい時は
「バアバ、助けて!助けてよう!」
と叫んだり、
「お手々つないで」
と言ったり、
「順番!!!」
と言って自分が一人先に降り切るまで大人を上で待たせたり・・・
5ヶ月の絢香も宏樹庵にいる間に離乳食を始めた。ヨーグルトににんじんなどを混ぜたものをおいしそうに食べる。晴香は怪獣のような勢いがあり、時には絢香の上に乗りかかってしまうようなこともあるが、基本的には小さい妹をとても可愛がっている。
今度宏樹庵に来るのは来年の2月。二人ともどんなに成長していることだろう。


ライオンの赤ちゃんを抱っこして記念撮影


ヤギにえさを
「あっ、痛い!やぎさん、指を咬んだよ。」


前の日の雨で川は増水していて錦帯橋のたもとの中洲は無くなっていた。


晴香 2歳4ヶ月