<< July 2013 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

久し振りの休日
梅雨空が続いている。
久し振りに午前中陽が射し、予報でも気温が30度近くまで上ると言っていたので布団を干した。ところが、予報を裏切って雨になり、布団を濡らした。その雨はとても静かだったので家の中で仕事をしていた私は全然気がつかず、布団を取り込む時になって初めて濡れているのを知り、ショックだった。今、2階の梁の下にシーツやカバーや布団が何枚も所狭しと干してある。

先日、石井と二人で そう津峡温泉へ出かけた。
宏樹庵に落ち着いたらいろいろな温泉に二人で出かけようと言っていたのにそうは問屋がおろさない。石井は毎月東京へ出て行かなければならないし、私も教えることが無くなっただけでその他のことは増えた。

久し振りの休日。
前日まで雨だったが、その日は晴れていないまでも雨は降らなかった。
新岩国の駅前の駐車場に車を停めて錦川清流線に乗る。
1時間に1本、或いはそれ以下しか走っていない清流線は、きれいな蛍などの絵が車両全面に描かれた1両だけのおとぎ電車のような電車で、寂地峡へ行く時、車の中から対岸を走っているのを見て、いつか乗ってみたいと思っていた。岩国を基点として錦町までの線で、ちょうど新岩国と併設している清流線の駅ーー清流新岩国(前は御庄と言っていたが、この3月から名前を変更したことも今回初めて知った)から錦川にずっと沿って谷あいを走る。本数が少ないこともあって、乗ってみると案外お客さんが坐っていた。ワンマン電車で駅にも人がいないので、バスのように乗った時整理券を取って、降りる時料金表を見て運転手さんに払う。この3月に御庄の駅名を変えた際に、すべての駅にそれぞれの駅名を書いた立派な木製の表示板を設置したものと思われる。墨で書かれたその文字はとても勢いのある良い字だった。

錦町に着くと旅館の車が迎えに来てくれていた。
20分くらいだろうか、旅館に到着。のんびりお風呂に入って、早めの夕食を済ませた。
夜8時半から蛍を見に旅館の主人が連れて行ってくれると言う。これは良かった!楽しみに待つ。

8時20分頃下に降りていくともう車が待っていた。私達だけかと思っていたら、後から「待ってくれ」と浴衣のままのおじさんが3人走ってきた。
すっかり暗くなった谷の道をしばらく行く。
この辺りで、と車のライトを消すと、なんとたくさんの蛍の光が揺れ、山の端まで高く飛んだかと思えば、谷の底の方まで飛ぶのもあり、全体がなんとなくリズムを合わせて光っていたのが印象的だった。その数、何千?何万?何百万?
川が続いている限り、どこまでも蛍の光は続いていた。
これは見事だった。これだけ見渡す限りの蛍を見たのは初めてだった。蛍のことは知らずにここへ来たのだったが、今年は大雨がなく餌のカワニナが多いとのこと、この日は雨も振らず本当に運が良かった。
場所を移して車から降りて見た。山が黒々と影を見せている。暗い中でも風景が違うとまた趣も異なった。たくさん飛んでいるので、手を伸ばしたら手の中に入ってきた。蛍は手の中でも力強く光っていた。
 百万の蛍のひかり谷に和す

翌朝、旅館の主人は上の方にある源泉の休憩所へ行く途中、そう津峡に寄ってくれた。
奥入瀬のような渓流が音を立てて流れていた。様々な岩が重なり合っていた。
車が1台どうにか通れるほどの道が続いていて、降りて歩いてみた。道がずっと濡れていた。昨日までの雨のせいかと思った。しかし、気がついてみると、道の脇の斜面からいくつもの湧き水が流れ出ていた。これが常に道を流れていたのだった。
こんもりと繁った樹々の道は涼しすぎるくらいだった。
 木漏れ日の川面にはねる音涼し

ふと樹々が開けた所があった。見上げると、岩肌が天まで届くようにそびえ立っていた。

源泉のお湯につかって帰宅した。
来年もこの時期に是非また行きたいと思った。
今度はもっとハイキングできるような服装で行こう。


清流線の車窓からの眺め


これはネット上にあった写真を拝借。実際はもっともっと幻想的だった


自然のままの渓流


晴れていたらもっとくっきりとそびえ立つ様子が撮れたと思うのだが